2013.08.30 (Fri)
阪南市D邸ウリンデッキ

阪南市D邸ウリンデッキをご紹介します。
3年前の施工です。
早くアップしたかったのですが、
写真を撮りすぎて、選別作業が大変でした。
満を持しての自慢の施工例紹介です。
【More・・・】

そのままでは利用価値の無い法面を有効利用するには、
費用対効果を考慮するとウッドデッキが最適です。
そして、

オーシャンビュー!
自宅のウッドデッキからこの景色が見られるって、
ほんと贅沢の極みです。
ただ、手前の歩道は犬の散歩などで人通りが多いため、
ある程度の目隠しが必要です。
効率のよい床下構造の配置でコストを抑えることと、
目隠しと見晴らしの折り合いをどこでつけるかが課題でした。

やはり斜面での基礎工事はオヤカタのヤリカタから始まります。
位置を正確に出しておかなければ後で修正ができません。

穴を掘り、捨て杭を打ち込み、砕石を入れ、

モルタルを入れてこのあと独立基礎を設置します。
この方法は公共工事で湿地帯のボードウォークを施工した時の仕様と同じです。
設計・施工において厳正に審査される大阪府公認仕様をフィードバックしているというわけです。
箔が付いたかな?

ちょっと時間が戻りましたが、
ビフォー・アフターを並べたいので・・・。
では完成です。

すべてウリン製です。
鉄骨構造で基礎工事コストを抑えることも考えましたが、
潮風にさらされることを考慮すれば、ウリンの方が安心です。

側溝の手前までが所有地なので、最大限に広げています。
フロアレベルは最大2200mmほどあります。

今日は下から攻めていきます。
構造はいろんなパターンを検討した末、
結局すべて90mm角で組み上げるシンプルなものになりました。

最前列の基礎はコンクリート上に束石を乗せ、モルタルで固めています。
モルタルがズレたり剥がれたりしないようした処理もしています。
束石と束はステンレスのアングルで固定。

床板と同じサイズの筋交いと根がらみでガッチリ補強しています。
建築側で引っ張っているため、前後の揺れは心配ありません。
では、デッキ上にあがりましょう。

およそ46㎡、一般住宅ではなかなかできない広さです。

手摺は通行人の視線を遮るために下の方は幅広材を、
上の方は眺めを損なわないよう細い材を使用しています。
目地の幅も変えています。
フロアの張り出し等も考慮して検討しましたが、
それでも現場で仕様変更したほどの、こだわりの逸品です。

横板は内側からビス止めしています。
体当りしてもビスが抜けて板が外れることがないという安全性と、
施工性アップ=コストダウンという2つの理由によります。

角は90度ではない場合は、
横板はクリアランスをあけて貼ります。
スペースが表現するデザインとでも申しましょうか。

外から見てもこの通り。
現場で、頂点から何mmバックさせるというふうに大工さんと打ち合わせしています。

上から見てもこの通り。
笠木のトメもバッチリ!

笠木同士をの横からビスで固定しています。
90度でない場合は角に柱がなく、
柱でこていすることが出来ないため、
このようなトリッキーな方法をとります。
下穴の開け方やビスの締め込み方によっては見栄えが悪くなってしまいます。

笠木の通りもバッチリ!
床板も鼻隠しも同じ寸法の材なので、
反りが少なくきれいな材を笠木のためにとっておき、
次に鼻隠し、床板というふうに仕分けしていきます。
鼻隠しといえば、今回は鼻隠しが無いデザインです。
コストダウンのためでもありますが、
私自身がこのデザインが好きなので、
いろんな条件も考慮して無くても良い場合はすかさずご提案します。

板を貼ってからカットし、切り口を面取りしています。
こんなところを紹介している施工例は見たことがありません。
アップに耐えられる仕事をしております。

なぜここだけステンレスパイプなのか?
ここは将来的にウッドデッキを増設した時のために開口をとってあり、
仮のパネルを取り付けてあります。
一年前、まだ建築も建っていない頃の見積プランは、
建築を囲むようにL字型のウッドデッキだったのですが、
ウリン価格の急騰と、
法面の状態を過小評価して積算していたため、
予算オーバーで消す各縮小となってしまいました。
申し訳ありません・・・。

床板は継ぎ目を一枚お気にずらす「千鳥貼り」。
違う長さの床板を継いで貼る場合、
在庫期間が異なれば収縮度合いの差で板の幅が違ってくるので、
継ぎ目で目立たなくするための埋め合わせ作業に神経を使います。

仕上がりは真っ直ぐ通っていますが、
この現場の材は曲がりも大きく、
大工さんは今でも「あそこは大変やった!」と言ってチクチク責めてきます。

文句を言いながらもきっちり仕上げてくるプライドの高さには絶大な信頼を置いております。
ん?
掃き出し窓のあたりにさっきから何か置いてあります。

これがこのウッドデッキの『肝』です。
部屋の中からのオーシャンビューを堪能するために、
手摺の仕様を工夫しましたが、
それでも安全面を考えるとある程度の高さは必要です。
それならウッドデッキ自体の高さを下げてしまえば、
部屋からの手摺の高さを下げつつ、
ウッドデッキからの手摺の高さを維持できます。
建築側にできた段差には、
下を簡易収納として利用できるステップを設けました。

これは施主さまによるアイデアで、
先日のアマゾンジャラデッキにも生かされています。
すばらしき発想の転換です。

部屋の中から。
家々は横板で隠れ、海は一望できるという絶妙な高さ・・・・・
に、カメラを構えました。

どこの保養施設かと思いますね。

海まで歩いて行ける距離です。
工事中は昼休みに海まで散歩していました。
本当にうらやましい。

うちの娘の1日前に産まれた娘さんがいました。
今ごろはこのウッドデッキの上を走り回っているのでしょうね。
最後に、久々のバーチャルショールームです。
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