2014.01.09 (Thu)
イタリアンレストランウッドフェンス

イタリアンレストランウッドフェンス工事をご紹介致します。
既存フェンスの改修工事です。
【More・・・】
イタリアンレストランウッドデッキ工事に際し、
組合さんの敷地を区画割りする必要性がありました。

工事前の状態です。
当時で11年前に当社で施工したウッドフェンスです。
車をぶつけられて補修したことはありますが、
腐り、虫食いなどは一切ありませんでした。
レッドシダー製で、支柱にはアルミパイプを使用しています。
「レッドシダーは5年ももたない。」という評判がネットで発信され、
それを一般の方がうのみにされたり、プロの業者までもが信じたりしていますが、
木材を理解した設計や施工方法をとっていれば、
5年で腐ってしまうようなことはほぼありません。
少し向こうに見える太短い樹木の向こう側がレストランになります。
それより向こう側のウッドフェンスを撤去し、
芝生側に迂回させることになります。
見積依頼をいただいた時にはすでに建築工事が始まっており、
打ち合わせのため現場へ行くと・・・

すでにフェンスが撤去されていました。
それはいいのですが、
この基礎ごと引っこ抜いた柱を再利用せよとのこと。
通常の施工方法は、
穴の空いた基礎ブロックをある程度のレベルと通りを出して埋め、
穴の中で微調整しながら柱の通りとレベルを正確に出しています。
前回もそうして施工しているため、一本ずつ柱を見ると、
基礎からの高さも、穴の中での位置も微妙に異なります。
その微妙な位置加減をこのコンクリートの固まりがついた柱で合わせるというのは至難の技です。
しかも、横板は柱の内々におさまるようになっているため、
横から板を打ち付ける仕様よりも柱の間隔はよりシビアになります。
施工手間をかけて再利用した場合と新たに作りなおした場合の両方で積算してみたところ、
若干再利用の方がコストを低くおさえることができたため、
資源の有効利用も兼ねて再利用することになりました。

基礎ブロックごと位置調整しなければならないので、
それだけ大きな穴が必要になります。
この地盤がむちゃくちゃ硬く、スコップでは全く歯が立たず、
削岩機で崩してはスコップで掻き出すという作業の繰り返しでした。

ただ、レベルに関しては、
アルミパイプに木材をビスでとめるという構造が功を奏し、
微調整は木材の上げ下げで対応出来ました。

ここから施工完了後の画像です。
といっても、ここは基本的に既存のままです。
再塗装し、笠木のみ交換しました。

ここからが改修部分です。
奥に向かって地面が傾斜しているため、フェンスにも勾配をつけています。

一番手前のスパンは傾斜がきつくなっており、
フェンスの勾配も2段階で変えています。
笠木の切り口と柱頭は角度を合わせてカットしています。
横木は穴に差し込む構造なので、
これぐらいの勾配であれば、
穴クリアランスの範囲内で遊ばせることができるため、
特別な加工は必要ありませんでした。
当時は勾配のことなんて全く考慮せず設計しましたが、
なかなかスグレモノだったと今になってわかりました。

勾配の終点が折れ点になると笠木や柱頭の加工が三次元の複雑極まりない加工になるため、
1スパン前で終わらせ、最後は平行になるよう調整しました。

バッチリ、まっすぐ通っていますね。

柱と横木はほぼ再利用品で、再塗装することで11年経っているとは思えない仕上がりになりました。

フェンスの終点です。
門扉で閉鎖しました。

フェンスの仕様を踏襲しつつ、補強のため筋交いを入れています。
内側が化粧面なので、外側に筋交いがあります。
ウリンの扉と違い、レッドシダーは軽量なので、
この程度の大きさは問題ありません。

反対側の終点です。
これは取り外し式ゲートになっています。

柱に斜めに溝を掘り、角材を落としこんでいます。
これも再利用品で、こちらは施工後25年程度経過しています。
こちらは土に直接埋めていたのに全く問題ありません。
当時の防腐注入薬、CCAの性能の高さがうかがえます。

以前は別の場所で、人の出入り用で間口はもっ小さかったのですが、
軽トラックの出入りができるようにとのことで、
3m以上に広げました。

それでもレッドシダーなので、一本の重さは7キロ程度です。
前より軽く使いやすいと喜ばれました。

ウリンとレッドシダーの共演です。
ウリンにはウリンの良さが、
レッドシダーにはレッドシダーの良さがあると改めて感じた現場でした。
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
| HOME |