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2014.02.10 (Mon)

京都市左京区G邸ウリンデッキ

00-DSC01178.jpg

京都市左京区G邸ウリンデッキをご紹介いたします。

ちょうど一年前の完成です。



長文です。お茶とお菓子をご用意下さい。

【More・・・】

場所は貴船や鞍馬山への入り口に位置する、

文字通り閑静な住宅地です。



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ホタルが舞う小川に面した中古住宅を施主さまがご購入され、

リフォームしてセカンドハウスとしてご利用されます。


お庭まるごとリフォームされるつもりで業者さんからすでに提案を受けられていたのですが、

納得いかず当社のショールームをお訪ね頂きました。



すでに人工木材のデッキがあるのですが、

本物のウッドデッキへの改修をご希望です。




KIMG0084_20140210092851355.jpg

河原に続く斜面に鉄骨構造で組まれています。

改修してもこの構造は使えそうです。


しかし、この手すりに取ってつけたような目隠しはいただけませんね。



KIMG0082.jpg

しかし、半分は増築したと思われ、アルミのバルコニーとなっています。

現状でも揺れが大きく、ハードウッドデッキの骨組みとしては使用できません。


アルミ構造は撤去し、鉄骨構造で組み直すことにしました。



KIMG0062.jpg

人工木材自体は使用上の問題はありません。




KIMG0078.jpg

アルミ構造部分と鉄骨構造部分には段差があり、これは解消したいところです。

鉄骨構造側はフロアレベルをタイル仕上げのテラスに合わせているため、

改築するウッドデッキもフロアレベルを現状より上げることはできません。



KIMG0096.jpg

ところが、

鉄骨の梁とフロアのレベル差は30mm弱しかありません。

全面フラットなウッドデッキにするためには、

厚み20mmの床板を使用し、横張りでこの梁をまたぐしかありません。



KIMG0079.jpg

この階段は段数が多く、大仕事になります。



先述のような鉄骨のレベルの問題があるため、

今回は鉄骨梁をあえて見せるデザインで進めることにしました。



難航したのが手すりのデザインです。

施主さまは外国の方で、

「日本人の感覚と違う。」とご自分でおっしゃっていました。

施工例からお気に召されるものはないかといろいろむお見せしましたがイマイチ。



「縦格子で格子を丸棒にできないか」とのお話があったのですが、

大量のハードウッドを丸棒に加工するのはコストがかかりすぎてしまいます。

いったんは格子材の面取りを大きくするという方向で決まりかけましたが、

やっぱりちょっと違うご様子。



「曲線的なイメージ」

というヒントを頂き、

やはりハードウッドでは厳しいので、こういうご提案を致しました。


無題

ロートアイアンの手摺子を利用したものです。

以前からずっと実現してみたかった仕様なのですが、

とにかく高いので、なかなか使用する機会に恵まれませんでした。

図面だけではイメージするのが難しい堝と思い、サンプルも作って見ていただきました。


この施主さまはノリの良い方で、

こちらがやる気を見せるとあちらもテンションが上がってきて、

打ち合わせが終わった後はいつも私もノリノリになっていました。


「これでいこうか!」

ということで気に入って頂き、

その後、他の部分の設計を進めていたところ、



「やっぱりもうちょっと木のイメージを重視したい。」



あらら・・・。

しかし、完成してからご納得いただけないのは最悪ですので、

事前にお伺いできてよかったです。


最初のうちは勝手にコストアップを心配したご提案をしていたのですが、

お打ち合わせを重ねるにつれ、

本当に気に入ったものに対して妥当な評価をして頂ける方だということがわかりました。

ご予算のお話は全くされていないのに、

私が勝手に人の財布を気にしていたために、つまらないご提案をしていたのでした。



「こうなったら絶対に納得させてやる!」

と、さらにやる気を掻き立てられ、

施主さまにも次の提案を楽しみにして頂けました。


そしてこのような手すりが完成しました。



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その名も『サンタフェフェンス』

アメリカ合衆国の古都、ニューメキシコ州州都のイメージを表現したもので・・・

と、昨年もそれらしいうんちくを語りましたが、



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宮沢りえさんの写真集の表紙に似ているから勝手に名づけました。



元ネタは、私がまだ図面を描き出して間もない頃にありました。


お客様に「このような手すりを」と洋書のコピーを見せられ、

それを再現したことがありました。

その時はその写真を忠実に再現したのですが、

自分自身は、微妙な加減でもっと良くなるのではないかと思っていました。



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今回は図面を描くにあたり、

このフェンスのデザインは手摺子そのものより、

隙間の見え方を重視しなければならないことに気づきました。



原材料の寸法と加工機の能力を念頭に置きながら、

何度も何度もアールを描き直しては並べてみて、

ようやく仕様が決まりました。


加工はNCルーターという、

図面データを入力すれば自動でカットする木工機械を使用しています。



自動ではありますが、

加工に耐えうる反りのない素材に仕上げなければならなかったり、

刃物をしょっちゅう替えなければならなかったりと、

手間が普通の手すりとは比べ物にならないぐらいかかり、

理解ある施主さまでなければ決して実現できない仕様です。



いつもの施工例紹介と違ったアプローチになってしまいました。

手すりのことで熱くなりすぎました。

では、全景です。



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前が川なので全景の撮影が難しいですが、

敷地の端ギリギリまで下がって撮影しました。

人工木材の床板とアルミ構造、アルミの手すりは撤去し、

既存の鉄骨構造はレベルの微調整とサビのひどかったところを補強し、

再塗装しました。

その横に統一感のある仕様で鉄骨構造を増設しました。



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前述のとおり、構造的な事情により床板は厚み20mmのものを使用しております。

標準仕様より厚みが少ない分、根太のピッチを狭くすることで対処しています。



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千鳥張りで継ぎ目を交互にし、強度と耐久性を保っています。



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外周のH鋼の上は床板を貼っていません。

根太を取り付けるだけの寸法的な余裕がないためです。

手すりが取り付くので、使用上もデザイン的にも問題ありません。


手すり柱は今回は無垢材をボルトで引っ張る特許仕様で施工しています。



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ただし、

階段の降り口はH鋼のままでは段差や滑りやすさで危険なので、

特殊な構造で板を貼っています。



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ウッドデッキ本体と同様に、

階段も鉄骨構造+ウッドという仕様です。

今までこの仕様で懸案だった床板の取り付け方法が、

鉄工所さんの簡単なアイデアで解消されました。


踏み板はリブ加工材を使用しました。

湿気が多そうな場所だったので、滑り止め機能をもたせました。



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敷地条件により、階段はウッドデッキに食い込んだ形となったため、

手すりはこのような複雑な形状になりました。



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階段手すりの笠木は、ウッドデッキ本体より一段下げています。

同じ高さのほうがきれいに繋がりそうですが、

階段の手すりとしては高くなりすぎ、使いにくいだけでなく、圧迫感が出てしまいます。



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階段笠木の接合部分です。

現場でちょちょいとやってくれるうちの大工さんはすばらしい!



DSC01063.jpg

縦格子タイプの手すりの場合、

その面(辺)の長さがそれぞれ違うため、

柱ピッチや格子の隙間など、すべての面で統一感がでるように寸法を微調整し、

バランス良く配置しなければ美しい仕上がりは望めません。



DSC01218.jpg

すべての面を見回して違和感のないように設定しています。

違和感が無いのでこの気配りも気付かれないので、

あえてここでアピールしています。



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ウッドデッキ倶楽部恒例となりました手すりの影画像です。

隙間デザインの重要性がお分かり頂けるのではないでしようか?



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ちょっとしたフェチ画像ですね。



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せせらぎの音を聞きながらぼーっとしているだけで平和な気分になれます。



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こちら側は住宅街ですが、

どことなく温泉街を思わせるような情緒があります。


向こうの橋から撮影してみました。



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初夏にはホタルが舞い、

秋には真っ赤な紅葉が楽しめます。



では、バーチャルショールームへどうぞ。













施主さまからは、

「自由に使って。寝泊まりしてくれてもいいよ。」

と、家の鍵を預けて頂きました。


本当は夏ごろに施工させて頂くつもりで、

高速からも遠いし、現場が続くなら本当に宿泊させていただき、

朝、釣りでもしようかななどと考えていたのですが、

私の提案が遅くなり、冬の完成となってしまいました。



私の提案に、

「それいいね、やろう!」

と、お打ち合わせの時はいつも私のテンションを上げて頂き、

産みの苦しみも楽しみに変えていただける施主さまでした。






テーマ : 仕事日記 - ジャンル : 就職・お仕事

タグ : 京都府 ウリン 階段 傾斜地 バーチャルショール ーム ウッドデッキ カーポートデッキ 縦格子フェンス 改修

15:52  |  ウリンデッキ  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

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