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2014.02.26 (Wed)

通し柱

今日はウッドデッキの手摺柱についてお話します。



DSC06191.jpg

【More・・・】



当社初のウッドデッキは1979年、35年前に、

先代社長の自宅で施工されました。


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これは杉の間伐材が使用されています。

これを機にウッドデッキの注文施工がスタートしました。



この当時は米栂のCCA防腐処理材を使用することが多かったようです。



ウッドデッキ創世記の手摺柱構造はこのようなものでした。



20030207 023

手摺柱と束が一本ものでデッキ面を貫通している構造です。



『通し柱』と呼んでいました。



建築の工法と同じく柱と大引を切り欠いて結合していました。

床下構造と手摺柱が一体となり、

ちょっとやそっとではびくともしない、非常に頑丈なものでした。



やがて、

屋外でのウッドデッキの施工実例も年月が経過し、

文献でしか情報を得ることができなかった木材の経年データ実績が蓄積されるにつれ、

当初は予期していなかった問題が発生しました。



20020820 012

大引と柱の接合部分での腐朽が、他の部分より顕著に見られるようになりました。

床下の風通しが悪い部分に、あえて水が溜まりやすい構造を作ってしまっていたのでした。




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これはレッドシダーのウッドデッキで、施工後13年経過したものです。

施主さまがデッキのまわりやデッキ上にプランターを並べて、

水をやり続けていたという悪条件も重なっています。



当社ではレッドシダーでウッドデッキ施工を始めた当初は10年保証をしておりましたが、

実際に保証期間内に補修が必要となったのは1件のみでした。





すこし話は反れますが、

『レッドシダーは5年ももたない。』というような情報がネット上で広がってしまっていますが、

これは公平な情報ではありません。


レッドシダーの輸入を始めるにあたり、

北米での実績や権威のある文献での耐朽性データを基に、

15年程度の耐用年数を示すという判断をしました。



ただ、日本の気候風土は北米と比較して高温多湿であり、

シロアリも存在するという、

レッドシダーにとって比較的厳しい状況でした。



しかし、それより深刻なのは、

ウッドデッキが爆発的に普及した時代はウッドデッキ素材=レッドシダーでした。

需要増にともなって新規参入業者も増え、

屋外での木材の使用方法を十分に理解されないまま施工されたウッドデッキが早期腐朽を起こし、

工法の問題を無視してレッドシダーの悪評となってしまったのです。



最悪の現場条件と工法でないかぎり、

レッドシダーが5年で腐ることは考えにくいことです。





話を戻して、


保証期間内の問題はなかったとしても、

この手摺柱の接合部分を改善すれば、

ウッドデッキ自体の耐用年数がより長くなるのは間違いありません。



当時、

当社は公園や学校の木製遊具やパーゴラ、休憩所などの施設工事を多く手がけており、

そういうカタログを出しているメーカーの下請けとして、

ウッド部門の設計や開発にも携わっておりました。



そういった技術をフィードバックさせ、

他に類を見ない画期的な手摺柱を完成させました。



DSC01970.jpg

束と手摺柱を分離し、

手摺柱に仕込んだボルトを床下から締め付けるという、

当社の特許工法です。



名づけて『ハイテンションジョイント』



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エクステリアメーカーのウッドデッキのほとんどが、

L字やコの字の金物で床板と柱にそれぞれビスどめしていました。

これは金物を介している分アソビが多く、結合力が強くありません。



また、木材の収縮や振動によって柱の揺れが発生した場合、

ビスを増し締めして修正することになりますが、

それには限界があり、

度重なる増し締めでビス穴がバカになってしまうか、

ビス穴に侵入した水分により木材を腐朽させ、

ビスが効かなくなってしまいます。



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一方、ハイテンションジョイントでは、


柱の断面と大きなワッシャによって床板を挟んで締めあげるので、

高い圧力で床板と柱が直接緊結され、

非常に高い強度を示します。


エクステリアメーカータイプと同じように、

木材の収縮や日常使用の振動により柱がぐらついてくることがありますが、

床下のナットを増し締めすれば、

木材を劣化させること無く、施工当初の強度を復活させることが出来ます。



また、

通し柱では会所桝や犬走りなど、

現場の障害物によって柱の位置が制限されるため、

手摺柱を等分配置することが困難でしたが、

束と手摺柱を分離させることで均整のとれた手摺に仕上げることができました。



取り付けは柱の中心位置にあたる床板に穴を開けてボルト締めするだけで、

穴が少々ずれても柱で隠れてしまうので問題ありません。



DSC07908.jpg


また、

通し柱の場合は必然的に大引をデッキ外周に配置せざるを得ず、

鼻隠しと大引の間に水が滞留して腐朽しやすくなっていましたが、

この点についても改善されることになりました。



このようにいいことずくめのハイテンションジョイント工法ですが、

欠点も無いわけではありません。



ひとつは、やはり施工当初の強度は通し柱と比較すると劣ること。

また、床板に垂直に柱が立つので、

床板が反っていると、柱も傾いて立ってしまいます。



強度に関しましては相対的なものですので、

ハイテンションジョイント工法の強度が低いというわけではありません。

ショールームでご確認頂けますので、ぜひご来場下さい。



傾きに関しましても、

全ての柱が手摺でつながれば自然と修正されますので、

今まで問題になったことは一度もありません。




実はこの仕様、

かつて大手エクステリアメーカーさんにそのまま採用され、

長年にわたりOEM供給致しておりました。



東京で展示会に出品した際には、

最大手エクステリアメーカーの開発担当者さんがブースを訪れ、

床下を覗き込みながら、『特許なんですね・・・。』と残念そうに帰って行かれました。




一般の方で組み立てて頂ける『キットデッキ』シリーズでも採用されています。

プロでなくてもかんたんに施工していただけます。







ただ、通し柱が全て悪いわけではありません。

強度と耐朽性を天秤にかけながら、

その他の要素も考慮して通し柱にすることもまれにあります。

その際は、樹種選択や構造の検討等、耐朽性を最大限に考慮した設計で施工します。





木材腐朽の問題は何年も経過しなければ表面化しないものであり、

歴史を経て失敗を経験した上で蓄積された財産となっております。


お客様に喜んでいただきたいという良心的な施工業者でも、

経験が無いために結果として不良施工となってしまうことがあります。



お客様の選球眼を鍛える手助けとなりましたでしようか?





テーマ : 仕事日記 - ジャンル : 就職・お仕事

タグ : 品質 うんちく

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