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2014.10.08 (Wed)

気の毒なウッドデッキ

「他社施工で10年経過したカーポートデッキの床板を張り替えて欲しい。」


というご依頼のお電話を頂きました。



無題

建築と固定された針葉樹系のオール木製デッキです。

これは床板交換だけではすみそうにありません。



翌日確認にお伺いしました。



【More・・・】




DSC_0498.jpg

床板の継ぎ目の部分が浮いており、ビスが効いていません。


床板をめくってみると・・・



DSC_0496_201410102017176e2.jpg

手前の桁はまだしっかりとしていますが、



DSC_0497_20141010201719f1e.jpg

床板の継ぎ目の下はこの通り。

完全に腐っており、溝をしゃくったようになっています。



「なんですか、これは???」


と、奥様。


溝に床板が朽ちたかすが溜まっているとでも思われたようです。


材種は、床板が杉の足場板、桁は米松です。


米松は大断面材が確保しやすいので、

15年ほど前までは、

防腐注入処理をして公園のパーゴラやボードウォークの構造材として多用されていました。



しかし、もともとは耐朽性が低く、

加えて防腐注入特性が悪く、表面の数ミリていどしか薬剤が注入されないので、

あまり長持ちしないことがわかり、

屋外で使用することはなくなりました。


仕様に関しても、

この物件はおそらく建築の設計士さんが、

建築の設計方法をそのまま屋外に持ち出したものと思われます。


床板の貼り方向を変え、継ぎ目のない設計であれば、

もう少し長持ちしたかもしれません。

板の継ぎ目に雨水が入り込んで滞留したため、

あれだけボロボロに腐ってしまいました。

床板も杉なので、継ぎ目の木口も腐っており、

確認中も踏抜きそうになりました。



施主さまは物干し台として使用されていますので、

屋根があってまだましな手前の方だけ使って頂き、

腐っている部分へは出ないようにお願いしました。



お庭のウッドデッキであれば、

床板を踏み抜いても軽いケガをするかどうか程度ですみますが、

こういう高所になると、命に関わってきますので、

腐りにくい木材を使用し、

腐りにくい構造を検討し、かつ、

腐った場合のことを考え、

腐っても最低限の安全性を維持し、

補修が容易な構造にするということが強く求められます。



この施主さまは床板さえ交換すればまだ使えると思っていらっしゃったので、

200万以上になるであろう当社のカーポートデッキを宣伝する気にもなれません。



また、

床板と腐っている桁の交換という無最低限の処置をしたとしても50万以上はかかりそうで、

それで数年後に他の箇所が腐る可能性は十分あります。



しかし、撤去してしまったら掃出窓の外に何もないという状態になり、

さらに物干しがなくなってしまうので、

なんとかしなくてはなりません。

そういう状況に追い込まれてしましました。



規格寸法さえあてはまれば、

エクステリアメーカーのアルミバルコニーがもっともコストを抑えることが出来ますとおすすめし、

それなら町の外構業者さんで対応できますとお伝えしました。



非常にお気の毒です。



このような不幸な方をこれ以上ださないためにも、

中川木材産業のカーポートデッキの普及を促進させなければなりません。


カーポートデッキをどんどん販売することが、

世間の人々を不幸から救うことになると信じてやみません。




そうです。宣伝です!!

宣伝できなかった分、ここで宣伝しておきました。




タグ : 経年変化防腐注入処理

23:35  |  うんちく  |  コメント(0)

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