2019.04.23 (Tue)
母に捧げるパーゴラ ~大阪府立住吉高校パーゴラ

大阪府立住吉高校パーゴラです。
昨年11月の施工でした。
造園業者さまの下請け工事です。
【More・・・】
昨年9月の台風でパーゴラが倒壊したので、
現場を見に行ってくれと造園屋さんから連絡がありました。

わっちゃ~。

校舎の谷間のビル風を、
生い茂った藤の葉っぱで思いっきり受けたのでしょう。

ただ、この基礎はまずいですね。
羽子板付き束石に乗せてビス止めしているようなものです。
これでは横揺れは防げません。

学校の方もどういう経緯で作られたのかわからないとのことですが、
基礎やSPFを使用してのこの組み方から、
昔からあった藤棚がだめになり、
学校の用務員さんがDIYでつくられたのではないでしょうか?
これはあまり予算をかけないプランでないと通らないだろうと推測しましたが、
かといって『やすかろう、わるかろう』のお仕事はできません。

傍らにこんな石碑も立ってますので。
調べによると、住吉高校は1922年設立とのこと。
その初代校長の御遺族が寄贈された藤ですから、
歴史を支えるのに恥じない藤棚でなければなりません。
職人の手を煩わせない加工、施工を考え、
試作的な要素を組み込みながら、
品質を落とさないコストダウンにトライしました。

外形2700mm角、柱芯々2200mm角、梁下2300mm、

木材は高耐久保存処理木材『SE-WOOD』です。
塗装はしていません。防腐薬剤の青銅色です。

部材形状が独特だと思うのですが、
これはデザインのみならず、
施工性も考慮した仕様なのです。

溝を掘ったように見える柱は、
角材を支柱にに幅広の板で挟み込み、

かつ、支柱に乗せた桁も挟んでビスどめしています。

かつ、方杖を安定させる役割も。

ルーバーは2本組になっており、
方杖を挟み込んで固定することで揺れを抑えます。

桁も柱のように角材を板で挟み込んでいますが、
こちらは幅を揃えています。
上部に溝を彫ってルーバーを落とし込んでいるように見えますが、
上の板をぶつ切りにして角材に貼り付けています。

このパーゴラは工場ですべて仮組みをして、
現場では再度組み立てるだけの仕様になっているのですが、
この2本組ルーバーと桁の接合がミソなのです。
文字では説明しきれませんが・・・。

かくして、
1世紀近く生徒を見守ってきた藤の新たな拠り所となり、

石碑は直立姿勢を取り戻しました。
余談ですが、
こちらの学校は一昨年他界した母の母校でした。
私にとっては母母校ですね。
このお話を頂いたとき、
急逝した母に何もしてあげられなかったという、
後悔をはらす機会を与えてくれたような思いを抱き、
何が何でもこのお仕事がしたいと強く思いました。
その思いをくんでくださった住吉高校の皆様のおかげで、
一周忌を目前に完成させることができました。
事務局の方々には非常に丁寧にご対応いただき、
最後にはわざわざ校長先生にまでご挨拶していただきました。
素晴らしいご縁に感謝致します。
そして、今日4月23日は母が生きていれば79歳の誕生日。
もうあげられなくなったひとり分のちゃちなショートケーキのかわりに。
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Nさま
あたたかいコメントをありがとうございます。
非科学的なことは信じない人間だったんですけど、
「縁」とか「運」とか、信じたほうが救われたり、
心があたたかくなるようなことは、
信じるようになりました。
Nさまとの出会いもありがたいご縁だと思っています。
通り過ぎてもなんの問題もないところを、
わざわざお時間を割いてコメントしていただけたおですから。
元気をいただきました。ありがとうございます。
あたたかいコメントをありがとうございます。
非科学的なことは信じない人間だったんですけど、
「縁」とか「運」とか、信じたほうが救われたり、
心があたたかくなるようなことは、
信じるようになりました。
Nさまとの出会いもありがたいご縁だと思っています。
通り過ぎてもなんの問題もないところを、
わざわざお時間を割いてコメントしていただけたおですから。
元気をいただきました。ありがとうございます。
トヨキチ |
2019.04.26(金) 12:58 | URL |
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素晴らしいお仕事であったと感じております。
お母様の急逝を存じ上げずにおりました。衷心お悔やみ申し上げます。