2020.02.26 (Wed)
一生モノデッキ ~奈良県香芝市S邸ウリンデッキ

奈良県香芝市S邸ウリンデッキ、
古いウッドデッキの改修工事です。
【More・・・】

間知石上に張り出したアルミ構造のウッドデッキの木部が傷んできたとのことです。

木部はレッドシダーです。
半分は屋根があるのですが、
やはり屋根のないほうが痛みがはげしいのですが、
踏み抜いてしまうほどではありません。

とはいえ、
干割れも大きいものがあるので、
改修のタイミングですね。

下から見ると、
白色腐朽菌がところどころに繁殖しています。
こんな高所で踏み抜いてしまうと大変なことになります。
レッドシダーの平均的な寿命でもありますので、
やはり改修のタイミングです。

手摺は枠付きのラチスパネルを柱間に挟んで固定しています。

裏が施設の駐車場になっており、
目線が気になるのでシートで目隠しされています。
このデッキ、
分厚いカタログがあるような大手エクステリアメーカー製ではありませんが、
非常によく考えられた、システマチックな構造です。
ただ、
改修はウリンでとのご要望であり、
仕様が変わるので、
いろいろと悩みのタネがありました。
①床板

ウッドデッキの外周がコの字型のコラム構造で、
角パイプ根太を受けており、
床板を根太とコラムの隙間に入れ込む構造になっています。
同様にウリンの床板を張ると角パイプが穴だらけになったり、
古いビス穴とかぶってビスが効かない可能性があります。
また、ウリンの床板の方が薄いので、高さが合わなくなります。
そこで、
アルミ根太の上にウリンの根太を置き、
厚みを調整した床板を張りました。

②荷重
ウリンはレッドシダーの2倍以上の比重があります。
アルミ構造の耐荷重をメーカーさんにに問い合わせ、
これも床板-根太構造で解決です。
強度を維持しつつ体積を減らしました。
③手摺

規格のラチスパネル固定用に特化した、
かなり特殊な構造です。
リニューアルデッキは目隠し仕様で、
しかも高さを上げる必要があるため、
木構造で補強しつつ、
デザイン的に妥協しないものにしたいです。

レッドシダーさん、15年間お疲れさまでした。

ウリンさん、30年は頑張って下さい。

D2800×W13000
構造はそのままとはいえ、
かなりの規模なので、
コストもそれなりにかかってしまいましたが、
アルミ構造+ウリンという組み合わせであれば、
次回の改修は建築の建て替え時期かもしれません。
では、デッキ上へ。

広いですね~。
デッキ上で13m走ができます。
この後、こちら側にもテラス屋根を増設されます。
洗濯物が干し放題ですね。

反対側から見ても広いです。
アルミ根太に直交して木根太を配置したので、
床板の張り方向も90度変わりました。
短手方向の板張りにすると、
■床板の継ぎ目がなくなり耐朽性が上がる。
■木材コストを抑えられる。
■交換時のコストダウン。
というメリットがあります。
しかし、
板張り終了後に施主さまから思わぬ指摘がありました。
目地の方向が変わり、
隙間から裏の駐車場が見えやすくなったとのこと。
たしかに・・・。

しかし、
下から見るとこんなものなんです。
目隠しフェンスもそうですが、
近くの隙間からの遠くの見え方と、
遠くの隙間の向こう側の見え方は
まったく違います。
石原裕次郎が七曲署のブラインドの隙間から外の様子をうかがっても、
外の通行人からは、
それが裕次郎だか、ゆうたろうだか、
まったく区別がつきません。

アルミコラムの下にぴったりおさまりました。
少しでも厚みを確保できるよう、
ミリ単位でギリギリのラインを狙って削りました。
強度の心配はまったくなし。

手摺は目隠しタイプでスッキリしました。
高さは1400mm。

最初はクリアランス15mmで均等割の計画でしたが、
クリアランスを10mmにして下からの目線カットを重視し、
上部の開口を大きくとりました。
駐車場の存在すらわかりません。

目隠しの度合いは、
板の隙間だけで決まるものではありません。
こちらと向こうの目線の高さと角度、
目隠しフェンスとの距離、
板の厚みも関係します。
板の厚みは20mm、
クリアランスは10mmで、
この高低差があれば、
これだけでも目隠しされていることは想像がつきますね。
あとで動画も確認してください。

既存のアルミ柱をウリンの付け柱で挟み込み、
ハイブリッド支柱に仕上げています。

アルミ支柱は2種類あり、
この中央は基礎から立ち上がっている大断面タイプ。

こちらはアルミコラム上にアングルで固定している間柱タイプ。
ラチスパネルと一体化することで強度を確保していたので、
解体後のぐらつきには驚きましたが、
ウリン付け柱によって安定しました。

もともとのフェンスはH1100mm、
今回は1400mmまで高くしたので、
アルミ支柱の高さが300mm足りないのですが、
このデザインなら違和感がないと思いませんか?
外側からは丸見えなのですが、違和感は感じません。
あえて全部を隠そうとしないところがプチこだわりです。

今更ですが、
内側からの板張りとしています。
理由は下記のとおりです。
■万が一体当りしても、ビスが抜けるようなことが無いこと。
■施工性がよくコストを抑えられること。
■アルミ柱の高さ不足が目立たないこと。

建築の脇の、
サービスヤードからウッドデッキへの入り口です。
暗くてわかりにくいですが、
この階段は既存のレッドシダー製がまだ使えるので、
そのままです。

反対側は出入りしないので閉め切り。

15年という年月は、
ご家族それぞれのライフスタイルの変化があっったことでしょう。

心機一転、
またこれから新しい歴史を刻んでいただきましょう。
最後に、内観だけですがバーチャルショールームをどうぞ。
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