2020.03.05 (Thu)
Let's Party! ～京都某キャンパス中庭改修
宇治市内にある某大学キャンパスの中庭リフォーム工事です。
ちょうど1年前のことです。
【More・・・】
中庭の枕木舗装が腐朽しています。
奥で立ち尽くしているのは、
液晶モニターの不具合で途方に暮れる上司。
けっこう傷んでいますが、
地面に敷いているので、
踏み抜いて大ケガをする危険性はありません。
一部、すでに撤去されています。
腐朽菌が繁殖しやすい状況ですね。
レンガまでガタガタになっています。
中古枕木の大半は、
ケンパスというハードウッド製です。
ケンパスは、ハードウッドの中でも防腐剤が浸透しやすく、
クレオソートという強烈な防腐剤を含浸させ、
線路の下に敷かれていました。
クレオソートは発がん性があり、
それを含んだ中古枕木は一般ユーザーへの販売が禁じられているほどです。
そこで、
材料を変えてリフォームしました。
ウリンの枕木風で生まれ変わりました。
これがウリンの枕木です。
正確には枕木として生産しているわけではなく、
製材したままで表面をかんな仕上げをしていないものです。
古い枕木を撤去後、下地調整し、
ウリン枕木を敷き詰めていきます。
公称150mm×50mmなのですが、
粗挽きなのでサイズは揃っていません。
両端が反り上がらないよう、
木裏が上になるように敷いています。
今回のロットは大きいものが多く、
170mm×60mmというものもあったため、
予定していた数量より使用本数はかなり少なくなりました。
幅の不揃い具合が、
隙間の大きさがバラバラなのでわかりますね。
質感がわかっていただけますか？
表面がザラザラなので、
雨の日も滑りにくいです。
板の継ぎ目が揃わないようにしています。
千鳥張りでもなく、超ランダムです。
リアルテトリス！
木拾いのため、
また、職人さんが現場で迷わないために、
配置を図面化しました。
4種類の長さの枕木を
このように配置しています。
現場合わせの部分もあるので、
目安ですね。
色の濃淡がアクセントになり、
モザイク感を醸し出しています。
指示はしていなかったのですが、
職人さんの判断で、
色の濃いものを散りばめてくれました。
いつもの大工部隊ではなく造園部隊の職人さんですが、
頼りになります。
ただ残念ながら、
半年もすると褪色して差がわからなくなってしまいます。
端部は切りそろえず、
あえてのランダム仕上げ。
ランダムといえば、
左側の建物にはガンダムがいっぱい飾ってありました。
ガンダリウム合金の研究施設なのでしょうか？
たまには遊び心の表現をしたいです。
植木周りもあえて丸くカットはしていません。
根っこの這い方などを見ながらの現場合わせでしかできません。
いい感じの楕円に仕上がりました。
会所部分も無骨に四角抜き。
隙間が白く見えるのは、
硅砂という粒子の細かい砂です。
枕木を敷き詰めた後硅砂をまき、
隙間に詰めて安定させます。
植木の前にちょこんと立っているのは、
オリジナルガーデンライト。
これもウリン製で、
角材の配置や頭の切り落とし角度もランダムです。
ランダムといえば、
右側の建物にはガンダムがいっぱい飾ってありました。
ミノフスキー粒子の研究施設なのでしょうか？
夜の顔。
こちらはのっぽバージョン。
夜のっぽ。
ライト自体は既製品です。
ちょっとしたアレンジで面白くなります。
これはイタウバ製ピクニックテーブル。
液晶モニターの不具合で途方に暮れる前の上司が考案しました。
移動式にとのご依頼で、大型キャスター付きです。
8人がけです。
端っこに座ると持ち上がりそうですが、
そこはハ-ドウッド。
自重でしっかり安定します。
真ん中の穴はパラソル用。
「別の現場で余ったから」と、
職人さんが植栽を追加してくれました。
ありがたや。
入口前のレンガ敷きもきれいに整えてくれました。
「たまには学生たちとパーティーができるように中庭を整備したい。」
こんなご要望からこの計画が始まりました。
完成後にお伺いすると、
お花見パーティーの真っ最中で、
私も少しおよばれしました。
普段は世界をリードするような最先端の研究をされている方々も、
ほっこり、まったり年経時間を共有されているのを目にして、
またいい仕事に関わらせていただけたと、
幸せな気持ちにさせていただきました。
最後に、バーチャルショールームをどうぞ。
これと平行して別のプロジェクトも進めましたので、
それはまた後日。
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