2023.01.05 (Thu)
将来のコストを見据えた設計 ■高槻市S邸ウリンデッキ■

高槻市S邸ウリンデッキ、
2022年最後二完成したウッドデッキです。
W6.7m×D1.9m×H1.9m
手摺H1.0m
【More・・・】
以前からお付き合いのある
ハウスメーカーさんからのご紹介でした。
中間マージンも取らず
餅は餅屋に任せるという
お客様の立場で考えられる優良企業さんです。

山の手の傾斜地に建つ建築で、
玄関側を道路のレベルに合わせた結果、
リビング前が2m弱の高さになっています。
建築設計段階で、
バルコニータイプのウッドデッキを施工することが織り込まれていました。

側溝の外側が境界線であるため、
縁石に束柱を立てても越境しません。

建築側は束石を設置しました。
砕石層の下10センチ以下で建築基礎のベースがあり、
その上にモルタルを敷いて束石のレベル調整をしています。
建築施工前に概算見積をご提示しましたが、
建築が完成し設計が具体化する段階ではウリンが値上がりし、
ご負担が増えてしまいました。
それでも、当初予定より横幅を広く取っていただき、
建築とのバランスもよく、
使い勝手のいいウッドデッキになりました。

床下の用途がなく柱の数に制限がないため、
オール木製になっています。

床下は大引・根太の二重構造。

建築側の柱は基礎に2箇所ずつ固定しています。
これで前後の揺れを抑えています。

道路側の柱は縁石にアングルで固定し、

根がらみで柱を繋ぎ、
さらに端部を擁壁に固定して
横揺れを完璧に防止しています。
施主様には依頼されていませんが、
これだけ広い床下スペースは
後々有効利用の可能性がありますので
強度を犠牲にしない程度に最低限の構造にとどめ、
スペースを大きく活かせるようにしました。

ウリンのシミが縁石上を流れて隣地に行かないように、
境界に束石を固定して堰き止めています。
細かいこだわり!

床板は縦張り。
出幅1900mmで、2mの定尺材を有効に使えます。
短いほうが単価が安く、継ぎ目なく施工できて耐朽性も高いので、
縦張りを基本としています。

表面を1mm削っているのでこんなに美しい仕上がりになっています。
これも基本で、特別な費用を頂いているわけではありません。

在庫期間の長いものはどうしても日焼けや汚れが気になるので。

少し日焼けして赤褐色担ったものが
ウリンのイメージとして定着しているので、
こんなに表情が豊かな木材であることは
プロの業者でも知らないかもしれません。
まあ、
すぐに日焼けするので削らなくてもいいのですが、
完成時の感動を味わっていただきたいのです。

手摺はH1000mmの外張りランダムボーダータイプ。

横板のクリアランスは15mm。

あまり細かいご要望をおっしゃらない施主さまが
唯一気にされていたのが
この手摺の目隠し度合いでした。
現場でスケールを立てて高さをご確認いただいたり、
施工例画像で横板のクリアランスによる見りえ方の違いをご確認いただいたり、
事前にできることはすべてしましたが、
実際にできてみないことにはイメージが沸かないものです。
こちらは耐風対策やコスト面で
できるだけ低く、クリアランスを大きくおすすめしてしまいがちですが、
毎日生活される施主様にとっては、
カーテンを開けて落ち着いて過ごせるかどうかは非常に重要な要素です。

これは建築寄りからの目線。

これが道の反対側からの目線です。
施工後、問題ないとのご感想をいただきホッとしました。

幅の細い横板を混ぜるランダムボーダータイプ。
アクセントをつけ全体にのっぺりとした印象になるのを避けることと
高さに対する半端を吸収するというつの効果があります。

厚みにも変化を与えています。

笠木の”トメ”はビタッとくっついています。
何気ないことなのですが、
親方がいつも丁寧に現場合わせで加工してくれているので、
わかっていただきたくて毎回撮影しています。

サービスヤードにつながる隣地境界側にはステップを設けました。

こちらに降りることはないとおっしゃっていましたが、
高低差があるため手摺は必要になります。
通れるようにしておくと、
将来的に設備のメンテナンス等で便利かもしれませんよとお伝えしたところ、
採用されました。
ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるようにしておいたほうが
将来のストレスやコストを軽減できますからね。

使用頻度が少ないと思われますので、
コンパクトに、手摺も付けず、
コストを抑えています。

住宅街の道路に面しながらも
落ち着けるプライベートスペースが完成しました。

室内の目隠しも兼ねているので、
この建築になくてはならないものになっています、。

レイヤー構造のかっこいい建築のデザインを
貶めることのないウッドデッキを目指しましたが、
いかがでしょうか?

「ウッドデッキの家を曲がって・・・」というような、
街の目印となってくれたら嬉しいですね。
ご夫婦ともにお仕事をされており、
工事中はお会いすることはできませんでしたが、



毎朝このようなお手紙をしたためていただき、
作業員一同高いモチベーションで施工に望むことができました。
やはり、ご期待にお答えするということは
ものづくりに携わるものとしてとても大事なことで、
お客様がそれを伝えてくださることは
本当に幸せなことであると再認識させていただきました。
ありがとうございました。
最後にバーチャルショールームをお楽しみください。
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