2023.04.07 (Fri)
箱の中身はヘンデンショ?■大阪木材工場団地変電設備フェンス■

当社が所属する大阪木材工場団地協同組合さんの
変電設備フェンスの改修工事です。
2021年8月完成
H=2500mm✕L9200mm
【More・・・】

確か30年ほど前に当社で施工したものです。
変電設備の目隠しと防犯のためのフェンスです。

コンクリートの立派な土台の上に設備があり、
その土台を囲むように立っています。
歳も歳ですから、
台風でいきなり倒壊する前に
予防的改修をすることになりました。

木材は杉の防腐注入処理材。
当時は「CCA」という非常に毒性の強い薬剤が使用されていたため、
ソフトウッドでも耐用年数の長いものが多く存在しています。

扉は傾いています。

地盤が弱いせいか
樹木の根っこで押されているのか
基礎が動いているところがあります。

新設フェンスはウリンを使用し、
バックの境界フェンスとの親和性を考え縦板張りとなります。
設備の乗っかっている立派な基礎に穴を開け、
地盤や樹木の影響を受けないように柱を立てる計画です。
ただ、
この基礎を隠したいという難題を突きつけられました。

基礎の端ギリギリに穴を開け、
できるだけ端に柱を立て、
横桟を基礎の外周よりオフセットさせ、
縦板を伸ばすという構造です。

板張り前まで出来た状態。
親方の哀愁を帯びた背中が苦労を物語っています。

基礎、柱、縦板の位置関係を御覧ください!
下地の厚みが45mm。
柱の外面を基礎の端から40mmになるように立て、
基礎外面と縦板内面の」隙間が5mm。
基礎もきっちり直角に仕上がっているわけではないので、
場所によっては5mmの隙間がとれません。
また、
70mm角の柱の外面が基礎端部から40mmなので、
柱の穴は土台の厚みが1センチ残るかどうかという位置になり、
実際に一部欠けてしまったところがありました。
・・・・・。
どれだけ苦労したかを訴えたくなり
長々と綴っておりますが、
ご理解いただけましたでしょうか?
組合の発注担当の方には
ブログ完成後に必ず読むように強制しておきます!

完成画像です。
こう見ると
何の変哲もないウリンの壁に見えてしまうのが悔しい・・・。

反対から見ても・・・。

真正面から見ても・・・。

真横から見ても・・・。

見上げてみても・・・。

もっと見上げてみても・・・。
もうええわっ!

奥に扉があります。
開けてみると・・・

いきなりアルミ枠!
600✕1800の門扉をウリンのみで制作すると
かなりの重量になって丁番に負担がかかるほか、
経年変化による反り・曲がりでたてつけが悪くなること必至です。
特注でアルミ門扉枠の制作を依頼し、
ウリンを貼り付けました。

エクステリアの規格品やスチールの別注も
今まで検討しましたが、
仕様やコストが合うものがなかなか見つかりませんでした。
それでも諦めずに探し続け、
イージーオーダー的に制作してくれる業者さんを見つけました。
願いは叶うものです!

重量門扉を支える強靭な丁番も必要です。
車両用の肉厚ステンレスヒンジです。
かなり高価ですが、
それ相当の高品質門扉ができあがりました。
これも探しまくって見つけました。

これはよくあるラッチ錠ですが、
ヒンジに見合った大型のものをチョイスしました。

シンプルな構造です。

板張りの必要のない背面ですが、
柱を立て、横桟でつなぐことで
全体で箱型を作って強度を確保しています。
後ろの縦板塀と固定すれば簡単ですが、
確実に板塀のほうが寿命が短いので、
独立させて来るべき板塀改修に備えています。

ここもミソ。
横桟同士をつないで
水平方向の変形を防ぐ補強材。
「火打」といいます。
2m以上の高さなのでじゃまにもなりません。

最下段の横桟は基礎スレスレの高さに配置しています。
基礎を隠すための縦板のはねだしを少しでも小さくするためです。

板の隙間は12mm。
基礎の長さと板の割付けにより設定しています。

角はツライチではなく、
正面(左)側を少し出しています。
幅方向と奥行方向で長さが異なりますが、
見栄え良く同じ板幅と隙間で仕上げる工夫です。
伝わってます?

大阪木材工場団地協同組合の
正面玄関に向かって左を見ると
この光景が広がっています。
自由に見学出来ますので、
ウリンの経年変化した雰囲気を確認してみたい方は
ぜひおこしください。
最後にバーチャルショールームを御覧ください。
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