2023.07.25 (Tue)
ウッドデッキのアップデート ■香芝市N邸デッキ改修■

香芝市N邸ウッドデッキ改修工事です。
D2000mm✕W9180mm
【More・・・】

かわいい建築ですね。
新築時に同時施工されたウッドデッキが7年で腐朽してしまいました。
建物をLK字に囲んでウッドデッキがあります。
木材は杉で、防腐注入していると思われます。

こちらは玄関側。
2階バルコニーが屋根となっており、
まだ使用できます。

建築壁面からこちら側には屋根がなく、
この部分が傷んでいます。

床板目地部分が広がるように
ところどころ黒くなっているところが
腐朽箇所です。

こんな感じですね。

鼻隠しが「外れてしまっています。
「水性塗料を塗ってしまって・・・」と施主さま。
いえいえ、それは悪くありません。
杉の防腐注入処理材もそんなに悪いものではありません。
問題なのは工法です。

大引がデッキの端に配置され、
ここに鼻隠しがべったり貼り付けてあります。
これでは雨水滞留し
腐朽しやすくなります。

大引は腐り、
床板のビスは全くとまっていません。

立派なサイズの大引きはスカスカ状態。
接している床板も腐っています。
他にも、
大引を』相じゃくりして組んでいたり
大引きの天端を座堀りしていたり
床板目地をふさぐように大引が配置されていたり
水が滞留しやすい構造のオンパレードでした。
ただ、悪意や手抜きによる結果ではありません。
強度を重視し、
建築構造と同じ手間をかけて作られたものですが、
そこに屋根のない「屋外」という重要条件への配慮が欠けており、
丁寧な仕事がかえって腐りやすくさせているということなのです。
建築工事の流れで作られたウッドデッキにはよくある落とし穴です。

すっきり撤去完了!

既存デッキを維持する玄関側も
屋根から外れた建築壁面ラインまでは撤去し
大引きを移設して補強しました。

新設大引のピッチを合わせ仮止めしています。
最前列、2列目は既存基礎を利用し、
最後列は束石を新設しました。
大引ピッチは均等にはなりませんが、
費用対効果を考えると
既存基礎利用の方がコストがかからず、
レベルも安定し断然有利です。
新しい床張りは建築に対して縦張りとすることで、
床板の継ぎ目をなくし、
耐朽性とコスパがアップしています。
プランニング中にお子さまが床板を踏み抜いて
ケガをされたとの知らせをいただき、
安全第一スピード第二が必須となり、
コストダウンのご提案を受け入れていただき
完成に至りました。

設計によって性能を発揮できなかった杉防腐注入材にかわり、
木材自身の耐朽性も設計も最高のウリンデッキになりました。

出幅はおよそ2030mm。
元のデッキが2030mmでした。
ウリン床板の企画寸法が2000mm、
実際には2030mmぐらいの伸びがありますが、
小口の干割れや悪い部分を落とスことを考慮し、
最低でも実質1950mmしか使えないものとして
いつもは考えています。
その考えでもう一段階長い2500mmを使用して
残りを捨てるのはあまりにももったいないし、
木口割れはいずれにしろ施工後すぐ、
極論を言うと施工中にも発生するので、
2000mmの床板の小口を
現場で必要最低限に切り揃えることをお伝えし、
コストパフォマンスサイコッチョーの木取りをしています。

いつもと変わりない仕上がりです。
これからも自事前にしっかりご説明した上で
無駄のないこの木取りをおすすめしていこうと思います。

既存デッキのカットラインは
単純に壁のラインに合わせたのではなく、
来るべき残り半分の改修が
スマートに仕上がるよう考えました。
フロアレベルはもちろん既存デッキに合わせていますが・・・

ちょうど建築の水切にあたり、
壁との間に大きな溝ができて
ゴミが詰まっていました。
新しいデッキは少し隙間を広げて
ゴミや水を逃がすようにしようかと考えたのですが、
さっきの新旧デッキのボーダーラインの
ベストポジションを守りたいので・・・

1枚ずつ現場で斜めカットしました、50枚ほど。

水抜きのクリアランスをとりつつ。
面取りもしつつ。

左が斜めカット、右がノーマルカット。
20mmぐらいは壁に寄せることができました。
斜めカット断行の判断をした親方に拍手!

鼻隠しを取り付ける段階になり、
こんな複雑に加工しなければ見栄えがしないことに気づき
うなだれる親方・・・。

それでもこの仕上がりは
胸を張ってお客様にお渡しできます。

サッシ部分はまっすぐカットで。
親方、つかの間の休息。

雨樋部分は5mm程度残して切り欠き。
これは落としてしまってもいいのに。
手を抜いたと思われるのが嫌だったのでしょう。

中央列の基礎は羽子板付きでしたが、
大引を寄せて強度バランスを取りたかったので
固定していません。
そもそも、
束と束石は固定しないのが中川木材仕様です。

ステップはW800mm。
当初は幅の広いものを正面1箇所の予定でしたが、
サイドにもほしいとのご要望で、
このサイズで良ければコストアップなしでというご提案をしました。

もとの階段のささら桁が基礎に埋まっており、
撤去してできた溝をモルタルで埋めています。

図面段階では壁側に寄せて
コンクリート部分に束をのせるつもりでしtが、
動線上使いにくそうだったので、
束石を追加して中央に移動しました。

いつも通り表面を一枚履いだ最高級品質の床板です。

ちなみに
これが一般的な現地仕上げの既製品ウリンです。
カビ、汚れ、焼けなどが多く、
このまま施工しても中川木材品質ではありません。
これを工場で1mm程度削り、
面取りをし直しています。

シンプルな長方形のウッドデッキですが
これだけ長文を書けるほど
こだわって丁寧に作っています。

犬は喜びデッキ駆け回り。

子供も喜びデッキ駆け回り。

夏休みの始まりに間に合ってよかった!
最後に癒しのバーチャルショールームをどうぞ。
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t.N |
2023.07.29(土) 05:18 | URL |
【編集】
t.N さま
コメントありがとうございます。
お役に立てたことをコメントや写真でお知らせいただき、
満足感に浸らせていただけたことに感謝です。
図面や見積書で表れない部分でのつくり込みが当社の特長が一番出るところですので
その部分でご満足いただけてはじめて
コストに見合ったと評価していただけるのかなと思っております。
またお役に立てることを楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
お役に立てたことをコメントや写真でお知らせいただき、
満足感に浸らせていただけたことに感謝です。
図面や見積書で表れない部分でのつくり込みが当社の特長が一番出るところですので
その部分でご満足いただけてはじめて
コストに見合ったと評価していただけるのかなと思っております。
またお役に立てることを楽しみにしております。
今後ともよろしくお願いいたします。
トヨキチ |
2023.07.29(土) 11:32 | URL |
【編集】
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毎日本当に快適に過ごしています(^ ^)
子ども達がウッドデッキの上を走り回っていても安心です。
斜めカットの加工、ほんとにいつ見ても綺麗です。
鼻隠しの加工も、見るたび惚れ惚れです。
丁寧に作っていただいたのが伝わります。
犬たちもウッドデッキの上で寝転がっていることが増えました(*^^*)
また、たくさんの方に素敵なウッドデッキを作ってください♪
本当にありがとうございました(o^^o)